「進学してる時点で婚期遅らせてるよね」と言われて幸せの手に入れ方が分からなくなりました→あなたは堅実な道を選んだだけなので焦らず自分の道を行きましょう。
質問箱からの相談です!
ー来年から社会人になる、21歳の大学生です。
私は「大卒」の肩書きのために進学をしたのですが、同い年の子から「進学してる時点で婚期遅らせてるよね」と言われて苛立っています。
私が選んだのは医療系の道なのでその子よりもお金稼ぐのにって思いますが、その子は「大卒」という肩書きがなくても結婚して子供もできて容姿は良くてマイホームもあるという良いことづくめです。
嫌々進学した私はどのように幸せを手に入れればいいのか分からなくなってしまいました。レンタルさんはこの子の思考回路どう思いますか?
以下、ぼくからの回答です!
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長文でのご相談ありがとうございます。
自分がした苦労をすっ飛ばしている人が自分より幸せそうに見えると、どうしようもないやるせなさを感じますよね。
お話を聞く限りでは、その子の思考回路は「論理的だけど自分本位」だなぁと思いました。
自分の幸せを掴むために何が必要で何が不要かを分かっていたから、その子は大学に行かなかったのでしょう。その判断ができた論理力はすごいですが、だからと言って他の人の生き方にケチをつけていいわけではありません。もう少し他者への心配りが必要だと思います。
さて、訊かれているのは「この子の思考回路どう思いますか」だけですが、「嫌々進学した私はどのように幸せを手に入れればいいのか分からない」ともおっしゃっているので、この悩みに対するぼくなりのアドバイスもお伝えしたいと思います。
以下、すごく長くなりますのでお時間のある時に読んでみてください。
お金持ちになることや立派な家を持つこと、結婚することや子供を作ることを目指す人は、お金持ちの白馬の王子さまが勝手にやってくるような特別な人でない限り、「努力して望みを勝ち取っていく」生き方をすることになります。
ここでポイントになるのは、
「その『努力するもの』は人によって違う」
ということです。
人のステータスにはいくつも種類があります。
頭がいい、お金持ち、人格が優れている、コミュニケーション力が高い、容姿がいい……。
それらの中で質問者さんは「(大卒という)立派な肩書きがある」「お金持ち」というステータスを伸ばすことを選んだということなのです。
では、「その子」はどうだったのでしょう。
同い年なのにマイホームを建てたということは、自分でお金を稼いだのではなく、お金持ちの男性と結婚したのでしょうか。
もしそうであれば、その子は「女性として魅力がある」というステータスが極めて高かったのです。
その子はそのことを自覚していたから、「勉強ができる」とか「大卒」とかいうステータスを伸ばすことにコストをかけるよりも、自分の長所である「女性として魅力がある」というステータスを伸ばすことにコストをかける方が、自分の幸せには近道だと考えたのだと思います。
つまり、質問者さんからはその子が楽をしているように見えるかもしれませんが、その子はその子できっと、「進学する」ということ以外の努力をしてきたのです。
「容姿」は元から良かったのかもしれませんが、他の、たとえば「コミュニケーション力が高い」とか「気配りができる」とかいうステータスは努力で高めたのかもしれません。
そういう、「幸せを掴むために彼女がした努力」を探してみるといいと思います。それが見つかれば、少しは今の気持ちが収まるのではないでしょうか?
では、見つからなかった時はどうしましょう?
「あの子は性格悪いし『女性として魅力がある』っていうステータス低いんだけど!特に努力してるようには見えないんだけど!」と思うかもしれませんね。
それは質問者さんからそう見えるだけなのかもしれませんが、その見立ては当たっていて、実際その子は特に努力をしていないのかもしれません。
だからそう見える時は、「そもそも人は平等ではない」という残酷な現実を受け入れなければならないでしょう。
羨ましいことに、世の中にはさほど努力や苦労をせず幸せな人生を送れる人がいます。いわゆる「恵まれている」人です。
ずるいですよね。ぼくもそういう人を見るとめちゃくちゃ嫉妬してしまいますが、それはもう受け入れるしかないのです。めちゃくちゃ悔しいけど、「そういう人もいる」と割り切るしかありません。
でも、だからと言って腐る必要はないんです。なぜなら、特別に恵まれているわけではないぼくたち「普通の人」にも逆転のチャンスは残されているからです。
先ほどステータスの話をしましたが、言うまでもなく、ステータスというのは「伸ばす」ことができます。
最初から高くなくても(=恵まれていなくても)問題ないのです。
質問者さんは「(大卒という)立派な肩書きがある」「お金持ち」というステータスを伸ばす道を選びました。なら、自信を持ってその道を突き進みましょう。
日本はいい意味でも悪い意味でもまだ学歴社会ですから、「大卒」という肩書きはけっこう強い武器になります。そしてその武器を使って医療系の職に就けば、「自分の力でたくさんお金を稼ぐ」というもっと強いステータスが手に入ります。
これらは、あなた特有の強みです。
あなたには「その子」の持つ強みはないかもしれませんが、「その子」にもあなたの持つ強みはやっぱりないんです。
しかも、考えようによっては質問者さんの方が有利かもしれません。
だって、「その子」はもしかしたらいつか結婚相手と別れてしまうかもしれないけど、質問者さんの肩書きや職はよほどのことがない限り無くならないからです。
問題は無事に結婚と出産ができるかどうかですが、それもきっと大丈夫でしょう。「医療系の仕事をしていてお金がある」というのは「結婚」という世界の中でも非常に強いステータスですし、今のぼくの話を聞いた質問者さんなら「他のステータス」も伸ばすことができるだろうからです。
つまり、質問者さんは堅実で確実な道を行っているのです。そういう道では結果が出るのはどうしても遅くなりますが、長期的に見れば、より安定して幸せな人生を送れる確率は高いと思います。
周りと比べる必要はありません。自分にないものではなくあるものを見つめ、焦らず自信を持って、自分の道を進んでいきましょう!
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質問者さんからは後日、こんなリプライをいただきました。
「回答ありがとうございます。
納得のいく回答を得られたからって相手の子と普通に接することはできません。
ただ容姿がよかったから? そんなことで簡単に幸せが手に入るなら自分、親まで恨みますね。
それが自分の運命なのかもしれません……」
ぼくとしては「運命」なんて言ってしょげて欲しくはないのですが、これ以上は依頼の範囲を超えてしまうので残念ながら何も言えませんでした……。
簡単じゃないからこそ人生は面白いとぼくは思うんですけどね……そう思ってもらうのはなかなか難しいです……。